2008年 07月 09日
Lightroomから直接プリントする場合は、「モノクロ写真」ドライバは使えない。
|
グレースケールミックススライダを使い、ターゲットセレクタを画像の上で上下にドラッグするだけでトーン調整が出来ます。
次のバージョンLightroom2では、ブラシによる部分修正が搭載されるようなので、焼き込みや覆い焼きも直感的に出来るようになると思います。
さてLightroomは、ファイルを展開することなくプリントすることが出来ますが、そのプリントの仕方は3種類です。
1.ドラフトモード
ドラフトモードは、元ファイルではなく、プレビューキャッシュを使ってプリントします。
そのため、色変換にかかる時間が短く、コンタクトシートなどをプリントする場合は時間がかからなくて良いのですが、キャッシュを使っているせいか画像の精細さを欠きます。
大きめの標準プレビューや、1:1プレビューを作成してあれば、コンタクトシートには十分な解像が得られますが、キャビネ以上に大きく伸ばすのには向きません。
1:1プレビューを作成してA4に伸ばしてみましたが、カラーマネジメントして元ファイルから伸ばすのに比べると画像が劣りました。
ドラフトモードの場合は、カラーマネジメントが出来ないので、ドライバの「マニュアル色補正」を使うことになります。
カラーなら、「EPSON基準色(sRGB)」が適しているようです。
Lightroomのプレビューキャッシュは、AdobeRGBの色域で作られているとヘルプには記載されていますが、「AdobeRGB」を選ぶと青と緑の彩度が上がりすぎる傾向がありました。
で、モノクロだったら、印刷設定で「モノクロ写真」を選ぶことも出来ますが、
(モノクロインデックスをプリントする場合には使えると思います。)
2.カラーマネジメント>プリンタによって管理
プリンタによって管理の場合は、ダイアログの下にアラートが出ていますが、プリンタのカラー調整で
ColorSyncを選らばなくてはいけません。
また、空のグラデーションに一部色つきが見られました。
(なお、上に上げた画像は縮小したり圧縮したりしてるせいもあって、トーンジャンプやつぶれが起きております。またモニタによっては、大きなバンディングが見えるかも知れません。元ファイルも空のグラデには多少トーンジャンプがありますが、プリントではほとんど気にならぬ位のレベルです。作例の画質が悪いですが、ご了承下さい。)
「プリンタによって管理」だから、プリンタのカラー調整で「マニュアル色補正」が使えるのではないかと思ってしまいますが、マニュアル色補正も、モノクロ写真ドライバも、正確に機能しません。
モノクロ写真ドライバを使ってみましたが、ややガンマが上がったようなプリントになりました。
差としてはあまり大きくないので「こんなものかな?」と思ってしまいがちですが、モニタと比べてもトーンが異なります。
3.カラーマネジメント>プロファイル、マッチング方法の指定
プロファイル、マッチング方法の指定は、カラーでは通常行われる方法です。
カラーマネジメントしてプリントする場合は、一般的にはこの方法を使うと思います。
(余談ですが、コンタクトでもこれによってカラマネ出来るわけですが、1枚ずつレンダリングして変換していくためか、プリントが始まるまですごく時間がかかります。一度、500カットくらいのコンタクトを作ろうとしたことがあるのですが、その時はいつまで経ってもプリンタが動かず、途中で断念。PhotoshopのコンタクトシートIIに切り替えました。)
この方式では、「黒点の補正」が使われるせいか、ColorSyncよりもシャドウのつぶれが少ないのですが、それでもモノクロ写真ドライバに比べると、つぶれ気味になります。
また、若干ながら中間調に色浮きが発生します。
ということで、Lightroomからファイルを展開せずに、PX-5600でモノクロプリントする場合、適したコマンドがありません。
なので結論としては、
Lightroomでモノクロ調整したファイルは、書き出して別のアプリケーションからプリントする
ということになります。
別のアプリと書きましたが、通常はPhotoshopでしょうね。
書き出しダイアログで書き出しても良いですし、「Photoshopで編集」でPhotoshopに送れば、自動的にLightroomのライブラリにも表示されます。
そしてPhotoshopで開いたら、プリントダイアログでカラーマネジメントなしにし、印刷設定でモノクロ写真を選びます。
モノクロ写真モードは、いわゆる「ドライバによる色補正」なので、プリンタドライバがモノクロ用に最適化します。
従って結果は、モニタとはちょっと異なることもあります。
5500の時は、どうもモニタで見るよりプリントの方が中間調がフラットになるような気がしていたのですが、5600ではあまり感じません。
何度か書きましたが、5500よりも中間調にメリハリがあるような気がします。
モノクロ写真モードを使う利点は、カラーモードでプリントするよりも、
1.中間調の色浮きがほとんど見られず、グレートーンが安定してなめらか
2.シャドウのトーンが、カラーモードよりよく出ている
の2点だと思っています。
どちらもモノクロ写真にはとても重要な点です。
特にシャドウ階調の出し方は、銀塩プリントの階調に匹敵するものだと感じています。
5500を使っているときに、データのシャドウを持ち上げてカラーモードでプリントしようと試みたこともありますが、私のスキルではモノクロ写真モードのようにうまくシャドウを出すことが出来ませんでした。
また、プロファイル変換すると、どうしても中間調のどこかに色浮きが出ます。
ドライバによる色補正:EPSON基準色を選んでも、色浮き、つぶれが出ます。
なので、私はモノクロは「モノクロ写真モード」を使うのが最適と思っています。
デジタルでも、モノクロの基本は銀塩と同じです。
ハイエストライトはメディア(ペーパー)の紙白で、ディーペストシャドウはメディアとインクが出せる最高の黒で、そして中間調のコントラスト、グラデーションで表現します。
そのレンジを活用するようなデータ作りが必要なのですが、レベル補正でシャドウとハイライトをきっちり作っておくと、プリントにメリハリが出ます。
特にシャドウの締まりを重要視する場合は、ディーペストシャドウがレベル補正の0になっている必要があります。
モノクロ写真ドライバは、モニタでほとんど見えないくらいのディープシャドウも、微妙に階調を分離してプリントしてくれます。
銀塩プリントだと、かなりスキルを積まないとそこが上手く出せないのですが、このドライバはその点すごく上手です。
エプソン・プロセレクションブログ
by yukinyaa04
| 2008-07-09 20:51