サンプルに難あり
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でも、2点ほど、ちょっと難ありかな、と・・・・・。
私が見た店では、サンプルはファイルに入っておらず、陳列棚に投げ出してあったので、ちょっくらその場で複写させていただきました。(^_^;)
まず、一点目。
上のモノクロは、下のカラー画像と同じファイルをモノクロにして、UltraSmoothFineArt ペーパーにプリントしたもののようです。
データやプリントの詳細が書かれていましたが、RAWで撮ってCamera Rawで現像してプリントしたらしいです。
Camera Rawの現像結果がイマイチ(笑)、なのは先日も書きましたし、この先記事にもしようと思ってますが、まあそれはおいといて、それよりもモノクロになったときにカラーではディテールがあった扉の部分がベタになっている(白線で囲んだ部分)のがどうもいただけません。
モノクロ用に、カラーとは違う調整をしたのかどうかは分かりません。
でも、データを見たところ、モノクロ変換はモノクロ写真ドライバで行ったようです。
ただ変換して出せば、何でもキレイに出るってもんでもないよ、っていう作例になっちゃってますね。
UltraSmoothFineArtは使ったことがないので分かりませんが、マット紙なので、シャドウの微妙な階調がつぶれやすい傾向があると思います。
こないだ根本さんも「紙に優しいデータ調整が必要」とおっしゃってましたが、マット紙の場合、シャドウ階調が出にくいので、データを調整する必要があるでしょう。
モノクロドライバも、5500よりは少〜し中間調にメリハリが出るようになったようですけど、それでもデータ上でもう少しメリハリをつけておいてから、モノクロドライバを通した方が結果が良いように思います。
いずれにしても、ちょっとモノクロに目の肥えた人だったら、このモノクロプリントは落第です。
同じ画像でカラーがあるのでなおさらです。
初めからつぶれているならモノクロの方でベタになっていても分からなかったと思いますが、カラーでは階調があるのだから、モノクロでもそれを出す必要がありますね。
特にモノクロでは、シャドウがベタになると奥行きのない印象になります。
二点目。
飽和、トーンジャンプ、ポスタリゼーション、大発生してます。
複写した画像では分かりませんので、店頭で見て下さい。
この青い部分が、ベタになったりトーンジャンプしています。
この青い色が動く話もネタにしようと思ってるのですが、これ、ドライバの色変換を使うとこうなってしまうようです。
データには、「マニュアル色補正AdobeRGBガンマ2.2」と書かれていました。
以前5500を買った当初、ドライバのAdobeRGBモードを使ったら、青がモニタで見るより派手になったという話を書きましたが、5600でテストしていて、先日やっと原因が分かりました。
マニュアル色補正の場合のレンダリングインテント(マッチング方式)は「知覚的」が用いられるようです。
私はPhotoshopで色変換する場合も、「知覚的」より「相対的」を好むのですが、それは「知覚的」を選ぶと、青の色が動くことが多いからです。
例えば空の色が、モニタで見るよりも水色っぽいというか、コバルトブルーのような色に転び、かつ彩度が上がったようになります。
モニタとのマッチングを気にしない人なら、「キレイな」青空になったと思うかも知れませんが、モニタで色を追い込んでいる人には、イメージと異なるのでやっかいです。
ドライバによる色補正を使った場合でも、Photoshopで「知覚的」変換をした場合と同じ色調になるので、ドライバ変換は「知覚的」で行われていることに気がつきました。
ほかのメーカーのプリンタを使ったことがないので、ドライバで変換、あるいはPhotoshopで「知覚的」変換をするといつもそうなるのかどうか分かりませんが、エプソンのプリンタに関しては、同じ傾向があると思います。
(余談ですが、ColorSyncで変換した場合でも、「知覚的」と同じ色になるようです。Photoshopで「プリンタによる色管理」を選んだ場合は、プリント画面ではマッチング方式はグレーアウトせず選べるままになっていますが、ここで「相対的」にしておいても、ドライバでColorSyncを選んでプリントした色調は、「知覚的」と同じでした。)
以前も書いたような気がしますが、なのでマニュアル色補正の場合でも、レンダリングインテントを選べるようにしておくべきだと思います。
さもないと、エプソンお勧め設定でプリントしたにもかかわらず、ブルーの色がおかしい、階調がつぶれる、色がおかしくなるプリンタと判断されかねません。
取りあえずこのサンプル2枚は、回収した方がいいのではないかと思います。
ついでに言うと、G5300のサンプルプリントもあまり良くないのですが、そっちは目をつむることにします。
しかしPX-5600のサンプルは、A3ノビ機の中でも最高級機(価格において。って、しつこい?)なのですから、サンプルは破綻のないプリントにしたほうが良いのではないでしょうか?
性能を生かしてないお粗末なプリントだと思いました。
あともう一点。
これはプリントに関してではないので、単なるミスかと思われますが・・・・。
絹目写真用紙にプリントした手のアップの画像データ、100mmマクロを使ったと書いてあるのに、焦点距離
34mmって・・・・?
被写体距離のことですか?(^_^;)
これらのプリントの下には、Proselectionってロゴが入っているのですが、プロ向けを謳ってる割には、どうも詰めの甘さを感じます。
(6月26日追記)
今日別の店で同じサンプルを見ましたが、そちらは合紙付きでファイリングされていました。
私が見たものは、1枚ずつバラになっていて、無造作に重ねてありました。
なので複写することが出来たのですが、ファイリングされてるやつは、ちょっと店頭で複写するのは無理ですね。(笑
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