勘違い
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写真展に向けて、ペーパーテストをやっている。
こないだの7月23日の記事に、カスタムプロファイルを使うと、ディープシャドウの階調が分離しない話を書いた。
それが「モノクロ写真」ドライバを使うと分離することも。
その時、「プロファイルってダメじゃん」と思ってしまったのだけど、プロファイルとはそういうもので、それは間違いではないことに気がついた。
プロファイルは、その用紙を使った場合にプリンタが表現できる最大の色域を示しているもの。
つまり逆に言うと、私のプリンタハードの性能は、イノーバのF-Type Glossというペーパーを使う場合、RGB値(AdobeRGBで)15/15/15くらい以下のデータは、分離してプリント出来ないということを表している。
ガマットを見ても、シャドウはL=5くらいが限界だった。
それが「モノクロ写真」ドライバを使うと、15以下の部分でも分離されるようになる。
これは、ハードが表現できない部分を、ドライバが「補正」して「分離して見える」ようにしているわけで、まさに「ドライバによる色補正」が行われていることになるわけだ。
プリントのカラマネの話になると、すぐに「プロファイル」「色補正オフ」という話になるが、色のマッチングを重視する場合はその方法が良いわけだけど、ハードが出せない部分はつぶれたり、飽和したりすることもある。
もし、階調の分離ということに重点を置くなら、カラーの一致は少しシフトしてしまうが、ドライバ補正を使うのは、良い選択だと思う。
いわゆる「きれいなプリント」と、「色が正確なプリント」は違うという話だ。
なので、作品作り、ことモノクロは色がないわけだから、ドライバ補正を使うのも、悪くないかな?と思った。
ただその場合は、カラー同様、モニタの見た目とは一致しない。
モニタで調子を追い込んで、ほとんどディテールが見えないくらいシャドウを落としたつもりが、ドライバ補正によって持ち上がり、自分が望んだトーンよりも浅くなる可能性もある。
実は、PX5500を買った当初、そのことに違和感を感じ、やはりプロファイルの方がいいだろうと思っていた。
「モノクロ写真」ドライバでは、シャドウが持ち上がるだけでなく、中間調もややフラットになる気がして、モニタ通りに出ないのがいまいちだと思った。
でも、ドライバ補正のウインドウで、コントラストやシャドウ・ハイライトの調整が出来るので、何枚かテストを重ねていけば、好みにあった調子に追い込むことも出来そうだ。
なので、23日に書いたように、ドライバまかせにしようかな・・・と思ったのだが・・・・。
でも、やっぱり、プロファイルでマッチングさせることにした。
こないだまでシャドウがつぶれてイマイチだったのは、そもそもデータの方が、ディープシャドウが深すぎるからであると気がつくのに、少し時間がかかった。(^_^;)
つまり、データのシャドウの階調を、RGB15までに抑えておけばいいことになる。
なんだ〜、そんなのいまさら、基本のき、じゃん!
そうです、すまんこってす、基礎がしっかりしてない偽装建築ですので・・・・・。(__;)
それに、こないだdojouさんにも教わったのだけど、モノクロ写真ドライバはどのようなマッチングをしているのか、いまいち不明だ。
単にシャドウ(と、たぶんハイライト)をなまらせて階調が分離するようにしているのか、データ全体をマッピングし直しているのか。
印象としては、シャドウがつぶれないことを重視したマッピングのような気もするが、中間調にも影響しているように思う。
その作用が、どんなデータでも同じように働くのか、データの階調によっては働き方に差があるのか、まだモノクロ写真ドライバをあまり使ったことがないので分からない。
それを見極めて、ドライバ補正用にデータを最適化するというのも考えられるけど、その都度プリントしてみなければ分からないし、モニタの見た目がこうだとプリントしたらこう、という脳内マッチングをしなければならないので、追い込むのに時間がかかるだろう。
そこで、そう考えるとプロファイルを使用し、ガマットに収まるようなデータ作りをしたほうが、コントロールがしやすい。
幸い、今回私のデータは、モノクロフィルムをスキャニングして作ることになっているので、スキャン時にシャドウ、ハイライトのコントロールが可能だ。
デジカメデータの場合も、RAWだったら現像時にシャドウが軟調になるように調整すれば、つぶれは抑えられるだろう。
なんか今さらながらな事をくどくど書いているが、実は今までモノクロ用データも、シャドウはRGB0まできっちり伸びてないと、黒の締まりが悪くなると思っていた。
PX5500を買ってすぐテストした時、RGB0とRGB2(か3だったか、詳細忘れた。用紙は写真用紙。)がかろうじて分離して見えたので、データのシャドウ部が中途半端な数値だと黒の締まりが悪くなると思ってしまった。
そしてことあるごとに吹聴していたのだが・・・・・。
用紙によるシャドウ再現性の違いはある。
写真用紙は色域が広いので、そこまで出たのかも知れない。
あるいは、エプソンのプロファイルが、シャドウを補うように作り込まれていたのかも知れない。
と、思って、エプソンの写真用紙のガマットを見たら、L=0まである!!
ひょえ〜、やっぱ純正プロファイルはさすがだな。
私のカスタムプロファイルは、写真用紙用でも、L=5までだ・・・・(・_・、)
試しに、今までPulse Color Eliteで作った各種用紙のプロファイルをみてみたが、L=3が最高。
やはりプロファイル作成アプリケーションの差?
Pulse Color Eliteでは、これが限度?
なんか、PLIEさんから勧誘が来そうだな。(^_^;)
イノーバ用のプロファイルは、メーカーサイトにもあるのだが、それもシャドウはエプソン写真用紙ほど広くはない。
紙質の違いと言うこともあるのだろうけど、やはりメーカープロファイルは、うまく「作り込まれている」のではないだろうか?
そんな気がする。
そうなると、写真用紙用プロファイルを使ってみるというのも手か・・・・。
モノクロだから、色は関係ないし・・・・。
あとでテストしてみよう。
昨日のアップルストアでのセミナーでも、小島勉氏のワークフローでは、用紙は他社製でも、プロファイルはメーカープロファイルを使う、ということだった。
用紙メーカーからプロファイルが提供されている場合はそれを使うが、ない場合は、用紙設定(プロファイルもそれにあったものを選択)をいろいろ試して、結果が良いものを使うということだった。
各用紙に対して、4つの設定をためしたものを見せていただいた。
私も、イノーバに対して、PX5500で使える設定のうち、どれが適しているか、試してみようと思ってる。
それによって、シャドウ階調にメリハリをつけられるものはどれか、とか・・・・・。
あ〜、書き疲れた・・・・。
こんなことしてる間に、テスト進めた方がいいのに・・・・・。(^_^;)